空の鳥をよく見なさい。
マタイによる福音書 6 章 26 節
「君は、愛されるために生まれた。君の生涯は愛で満ちている♪♪♪」
この歌は10数年前から韓国のクリスチャンの間で歌われ、日本でも若い人々の心に大きな感銘を与えている歌です。日本よりもしかしたら熾烈な競争社会になってしまった韓国では、当時、自殺する若者が後を絶ちませんでした。競争についていけない、周囲の期待に応えることができないことに傷つき、次々と自らの命を絶つ青年たちの存在に、深く心を痛めた人が作詞、作曲した歌だそうです。
人は文化、社会の中で生きる存在です。大人になっていくということは、その中でどのようにうまくやっていくかということだろうと思います。社会のルールを理解できるか。社会性を養えるか。人間は一人で生きる存在ではありませんから、それは大切です。他者への思いやりも大切です。
でも、その根本に、もう少し違った視点、価値観が存在することを聖書は教えています。生まれてきただけで尊い。いるだけで尊い。なぜなら、神さまはあなたを愛しているから。愛される価値がないと思わせるものに囲まれて生活する私たちに、聖書はそう語ります。
私たちにできること、しなければならないことは、そうした現代社会を支配する価値観にこどもたちの心が引き裂かれる前に、決して壊れることのない、愛されているという経験を、子どもたちの心の中に育てることだと思います。こども園での生活が、そんな心を育む場所となれることを、先生方と一緒に心より願っています。
荒谷 出:こども園宗教主任