平和を実現する人々は、幸いである。
マタイによる福音書5章9節
暑い8月がやってきます。こどもたちも健康を支えられて、この夏を乗り切ることができることをお祈りします。8月は平和について考える機会が多い月です。太平洋戦争敗戦の8月15日、8月6日、9日の原爆投下の出来事は、日本中の人々、そして世界中の人々に覚えられています。広島の原爆記念式典に、共愛の中学生、高校生の有志が毎年参加しています。広島女学院というキリスト教主義の学校で、広島市の中心地に学校があり、多くの生徒、教職員、家族が被爆した学校に、たくさんのキリスト教主義学校から、この時期生徒たちが訪れ、平和について考え、祈りを共にします。
「平和を実現する人々は、幸いである」というマタイによる福音書の伝えるイエスの言葉も、この時期に多くの人々によって思い起こされます。
平和を大切にするということは、いかに人と人が共に生きることを大切にするかということです。愛するということも、他者の存在があって初めて出てくる発想です。隣人という表現も、人は関係の中に生きる存在なのだという本質に根ざしています。
聖書の一番大切な考えは、人は人といかに生きるのかというところにあると思います。私がよければ、私が幸せならば・・・という思いが中心なのではなく、自分以外の人が幸せに生きることが出来るとき、そしてそれに自分が関わることができるとき、初めて私たちは心の平和を得ることができるということだと思います。
こども園でお友だちと過ごし、一緒に成長する体験の中で、一人一人のこころの中に、その土台がしっかりと据えられていくことを願ってやみません。
荒谷 出:こども園宗教主任