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11月 「あふれるばかりに感謝しなさい」

「あふれるばかりに感謝しなさい。」

コロサイ信徒への手紙2:7


 

「五つのパンを四つ食べて、残った一つをもらうのと、一つあるパンを半分っこしようと、半分もらうのと、どちらが嬉しいですか?」僕の関係しているバングラデシュの子どもたちを支援している団体の職員の方が、貧しいバングラデシュの子どもたちや、大人たちに質問しました。すると、ほとんどの人が、躊躇なく、「もちろん半分」と答えるのだそうです。

 

 一つと半分、多いほうがいいにきまっていますよね。おなかすいていたらなおさらです。でもここで問題なのは、その半分をもらうことで、自分も嬉しいし、それを一緒に分かち合った人も嬉しい。それのほうが大切という感性です。まさに量より質を瞬時に感じ取る感性です。「あふれるばかりに感謝しなさい。」という聖書の言葉。そんな感性を私たちに促しているように感じます。こどもたちが、自分に都合のいいこと、自分が得することばかりを優先するのではなく、分かち合うこと、お友だちや、仲間が嬉しい時、慰められる時、まさに自分にも、本当の喜びが与えられるということを学んで成長してくれることを願います。大人である私たちもそこから学ぶ必要がありますね。今の世界、本当にそうした感性が乏しくなってしまっているって感じませんか?                      

                         こども園宗教主任 荒谷 出