「父と母を敬いなさい。」
エフェソ信徒への手紙 6章2節
今月の聖句。古臭い家父長制度的な意味での教えではありません。私たちの時代、親業も大変ですね。激変する社会の中で、家族観も、夫婦観も、人生観も、すべて「観」のつくものが激しく変化していっています。学校やこども園などの教育機関に対するご家庭や社会の期待も変化しています。それぞれの育った時代、家庭環境を土台に私たちは教育観や家族観を形成していますから、社会が激しく変化すれば、私たちの期待することもどんどん変わっていかざるを得ません。
でも、変わらないもの、変えてはならないものもあると思うんです。それは、こどもたちは愛されて育つ必要があるということです。大切にされ、それぞれが自分の力で自分の生きる道を発見していく力を養う環境を与えられるべきだということです。こどもたちが、愛されていることを無意識的、意識的に自覚するのは、もちろん家族を通してです。「父と母を敬う」という聖書の教えは、現代風に言い換えれば、自分を受け入れ、愛してくれる存在のことを理解し、大切にする心を持ちなさいということではないでしょうか。
そのためには、親である私たちも、こどもがこどもとして自分とは異なるひとつの人格であることを心に強く刻みながら、成長を見守る姿勢が必要ということでもありますね。
こども園の園児一人一人が、健やかに育っていく姿を、ご一緒に見守りましょう。
共愛学園こども園宗教主任 荒谷 出