６月　あなたがたも賞を得るように走りなさい

人生のゴールって何でしょうか？生涯かけての友人でしょうか。幸せな家族でしょうか？子どもの成功や実績でしょうか。お金や名誉でしょうか？今月の聖句、共愛の中学と高校の陸上部が大切にしている聖句です。競技に例えてパウロが書いているからかもしれません。でも、その聖書の言葉のポイントは、「朽ちない冠を得るために」努力しなさいというものです。競技で一生懸命結果を出そうとしている子どもたちに、本当はこの言葉はピンとこないかもしれません。自分の求める結果、成績意外にもっと大事なものがあるよと、聖書は語っているからです。

以前に、高校のサッカー部が、いよいよ県の強豪校の仲間入りを果たし、全国大会地区予選で準決勝まで進んだことがありました。学校の先生たちや生徒たちも大きな期待を寄せて、みんなで応援に行きました。相手は僕の母校新島学園。前評判では共愛圧倒的に有利ということでした。でも試合が始まってみると、攻めても攻めても得点が入りません。前後半両者無得点、延長戦もお互い無得点。PK戦になりました。最初のキッカーで相手がゴールをはずしました。これで勝利間違いなし！と全員が信じて疑いませんでした。ところが、最後に二人続けて共愛がゴールを外し、結果は敗退。ゴールを外した選手はその場にうずくまりしばらく立ち上がることもできませんでした。

つらい経験、つらい思い出だろうと思います。でも、そのことで、実は子どもたちは、試合に負けたけど、すべてが終わりじゃない。勝てなかったけど、それまでのプロセス、努力が無意味なんじゃないということを、心の一番深いところで学んだように思います。

　一番大切なことが、そこにあるんじゃないと知ること、「朽ちない冠」は他のところにあることに気づくこと、子どもたちの人生の数々の挫折の中で、それを学んでくれることを願っています。

こども園宗教主任　荒谷　出