「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
ローマ信徒への手紙Ⅰ 12章15節
この原稿、バンコクの空港で書いています。2週間バングラデシュを訪問して、首都のダッカのスラム街で暮らす子どもたちや、農村地方からさらに奥地にある学校のない地域で暮らす子どもたちに会う旅でした。アジアキリスト教教育基金(ACEF)という団体のスタディツアーは、バングラデシュで教育の機会を得ることのできない子どもたちに学校を作り、その学校を巡るツアーです。参加したのは高校生2人、大学生6名、教員5名、ACEFスタッフ2名でした。キリスト教主義の学校の生徒、学生たちが毎回参加してこのスタディツアーは行われてきました。キリスト教主義保育を行う幼稚園やこども園の先生たちも、過去には何人も参加しています。今回は東洋英和女学院幼稚園の先生で長年バングラデシュの子どもたちを支援されていて、数年前に亡くなられた丹羽先生を記念して、幼稚園卒園生のお母さんたち、教え子の方々が集めた献金で建てられた施設の見学もスケジュールに組み込まれていました。
日本の子どもたちが、小さい時から、自分たちの知らない世界で暮らす子どもたちの存在を知り、その子どもたちが、日本と同じように教育の機会を得ることができ、自分の将来の夢を実現する力を養うことができるように、互いに協力する関係があることを経験しながら成長すること、素敵だと思いませんか?「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」ことのできる心が、自然にこども園のこどもたちの心に根付いてくれたら、この世界に平和をもたらす希望も、同時に育てることだと思いませんか?そんな夢を描きながら、夏休みの旅の終わりに、新しいこども園のお便りの原稿を書いています。 荒谷 出(共愛学園こども園宗教主任)