9月の主題 楽しむ:3歳以上児 たのしい:3歳未満児
9月の聖句 私はぶどうの木、あなたがたはその枝である。
ヨハネによる福音書 15章5節
9月の讃美歌 全園児:「しゅイエスのみちを」、
3歳未満児「わたくしたちは」、3歳以上児 「ちから」
楽しむ・たのしい
肌を優しくなでて涼やかな風が秋を運んできました。季節の移ろいにこども園の子ども達の遊びにも変化が見えてきました。暑さの中では見向きもしなかった長縄をする子ども達の姿や、声を掛け合いながらのかけっこや、狭い敷地を迂回しながら工夫して鬼ごっこに興じる姿も見られるようになりました。「面白いことみいつけた!」「すごい!」「仲間に入れて!」と遊びもより活動的になり、遊びの輪や友だちとの関わり合いも広がっている高年齢児の姿からは、遊びを主体的に展開したり、試行錯誤したり工夫したり、共にじっくりと「楽しむ」姿が伝わってきます。自ら遊びを見つけたり、周りの友だちのしていることに心動かし、保育者や友だちとかかわり合いながら、その関係性の心地よさに気づき始めた低年齢児の姿からは、その時その時の遊びやかかわりあいを「楽しい」と感じていることが見て取れます。
人は楽しい時、自然に鼻歌が出たり笑顔になったりとその思いは溢れ出します。この心地よい自然を満喫しながら、子ども達が遊び中で「楽しい」と「表出」できる経験を沢山重ねていくことが出来るように保育を組み立てていきたいと思います。そして「楽しい」経験が、自ら主体的に遊びを「楽しむ」経験へと繋がり広げられるように、また「楽しむ」経験が「楽しい」に繋がって遊びの輪が、友だちの輪が広がり繋がっていくことを願っています。
ハレルヤ通信10月号
「うろこ雲」と「ひつじ雲」は、秋の代表の空の風情ですね。秋特有の前者と後者の違いは、雲の出来る高さで決まると聞きます。それにしても、秋の空は本当に高いですね。吸い込まれてしまいそうな秋の空をこんなにも長い間見上げていられるのも心地よい秋の季節の恵の力でもありますね。例年、秋分の日に色彩を添える彼岸花が今年はどうしたのだろうと首をかしげていると、わたしの気持ちに応えるかのように、数日の間にすくと立った穂先に大車輪のような花が咲き、一瞬の内に田の畦を紅色に染め尽くしていました。自然の営みのすごさに脱帽です。
9月末には、年長組は嶺公園、年中組は大室公園、年少組は城南公園で自然の恵みを味わいました。嶺公園で起こった大事件の報告の中から「ちょっといい話」を紹介します。嶺公園で沢山の秋と出会い自然との対話を満喫し昼食の準備に入った時、その事件は起きました。トイレに行く子ども達に付き添った某保育者は、遠くでお弁当の準備に入る子ども達の様子も視野に入れながら、トイレの子ども達と関わっていました。その一方で、同じようにお弁当を広げ始めた親子の様子もその視野に感じていたようです。トイレに付き添っていた保育者は全てを見ていたわけでないので、その親子連れの子がどのようにトイレの脇の池に落ちたのかの経緯は定かで無いのですが、気が付いた時には、その子が池に落ちてもがいていたのです。保育者はトイレの子どもに動かない様声を掛け、自ら池に飛び込んだようです。子どもを掴もうと手を伸ばしたのですが、その子が体制を整えようと足を蹴りその反動で前屈みになり顔は水の中に、必死で近づき抱え上げたということです。引き上げた時のその子の唇は紫色で顔は蒼白だったようです。母親も突然の出来事にフリーズ状態。幸い同行していた看護師や応援の保育者も、呆然とする母親の支援に回ったようです。某保育者が気づかなかったらとぞっとしました。本当に無事でよかった。その間待機できた年長さんにも拍手です。「警察署からの表彰状を頂ける出来事だね」に、当の保育者は「誰だってその場にいたら同じことをしていましたよ」とのかっこいい一言。帰るまでびしょぬれ状態で保育を続行したことも勲章に値しますね。某保育者には帰宅しシャワーを浴び、着替えてくるよう言葉をかけたのは言うまでもありません。「ちょっといい話」の投稿を断念した代わりに皆様にお伝えします。
園長 白石由紀子