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10月 私はぶどうの木、あなたがたはその枝である。

「私はぶどうの木、あなたがたはその枝である。。」

    ヨハネによる福音書 15章5節


 

僕の父は、戦争中食料がない時、大阪のど真ん中で、食べるための野菜を育てる祖父に散々お手伝いさせられたために、野菜作りは大嫌いでした。でも植物を育てることは大好きで、富岡の教会の庭に、いろんなお花を育てていました。一時は菊に凝って、見事な大輪を毎年咲かせて、近所の、教会にすこし距離を感じている様子のおじさんたちが、意を決して手ほどきを請いにやってくるほどでした。お花と一緒に、我が家には二本の葡萄の木とそのための棚が作られ、毎年おそらく100kgぐらいのたわわな実が棚に鈴なりでした。たくさん取れすぎて葡萄ジュースにしたりもしていたほどです。

 

その葡萄の木なのですが、春になっていよいよ葡萄が実をつけ、だんだん大きくなりだすと、実がなった枝の幹に近いところに「ぶどう虫」という虫が住み着き、幹から送られて来る栄養を全部吸い取って成長します。この虫が着くと、その先の葡萄のふさは成長しません。だから一つ一つ枝の膨らんだところをチェックしてこの虫を取り除く必要があります。

 

栄養いっぱいなのか、この虫は、川で釣りをする人たちには極上の餌となるらしいので、いろんな人がもらいに来ていました。

 

そんな様子を見て育ったものですから、葡萄の木というと、とても懐かしく、また幹から送られてくる栄養で、一つ一つの実が大きく、甘くなるのを思い出します。こども園のお庭にたくさんある木々やお花、虫たちに囲まれて、こどもたちもイエス様に繋がっていることを心のどこかで感じながら背長してくれるといいですね。お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてお友だち、先生たち、神さまに愛されて、たくさんの心の栄養を受けて元気に育って行ってくれること、お祈りしています。                                      

 荒谷 出(こども園宗教主任)