「神は愛です。」
ヨハネの手紙Ⅰ 4章16節
一月の聖句、とても短い聖句です。神は愛です・・・ってどういうことでしょうか。「愛」という言葉、本当のところはわかりにくい言葉です。いろんな意味が考えられますし、好き、恋しいという感情的な心の動きのことが最初にイメージされます。
このクリスマス、ちょうど、この「神の愛」についてのお話しを、友人の宣教師の先生が、共愛学園の中高のクリスマスの特別礼拝でお話ししてくださいました。
16世紀、最初にキリスト教が日本にもたらされた時、この神の愛という考え、言葉を日本語にどのように訳したら人々が理解できるのか、最初の宣教師たちもいろいろ悩んだようです。そして、この言葉を「デウス様(神)のご大切」と訳しました。それまで、日本の社会では「愛」という言葉はほとんど使われることがありませんでした。ですから、「愛」という言葉に訳しても、人々にはなんのことだかわからなかったわけです。まあ、今でもそうしたことは言えるのかもしれません。愛とは
「大切にする」ということです。ですから、「神は愛です。」とは神様はあなたを、そしてすべての人々、いのちを大切にしていますという意味です。
この世界には、大切にされていない人々の叫びがあふれています。差別される人々、忘れ去られる人々、理解されないで苦しむ人々、具体的に考えれば、いろんな状況の人々のことだとわかると思います。人種差別、障碍者、女性、少数民族、貧困の中にある人々、精神的に病んだ人々、こども・・・本当にたくさんいます。もしかしたら「私自身」・・・と感じておられる方もおられるかもしれません。そんな一人一人に、聖書は、「あなたは大切だ」と語り掛けています。それは「神は愛です」という聖句の意味だと思います。こども園の保育の土台にも、そのことがしっかりと据えられることを願っています。
こども園宗教主任 荒谷 出