今月の聖句 11月
「わたしの恵みはあなたに十分である。」
コリントの信徒への手紙Ⅱ12章9節
ある方が、「恵みという字は、十字架の下で十字架を見上げて思うもの」と言われました。確かに漢字の「恵」は、「十」の下に「思」という字を合わせたもののようです。私たちの罪を代価なしで担ってくださり、イエスさまが十字架にかかってくださったことで、私たちを新しいいのちに導いてくださいました。
伝道者パウロもさまざまな持病がありました。そのためパウロは、その病が癒やされれば、神さまのことをもっと力強く伝えることができるのにと思い、何度も何度も神さまに祈りましたが、癒やされることはありませんでした。神さまはパウロの祈りに応えて「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ発揮されるのだ」と語りかけられました。
苦しいとき、辛い時、私たちは、失ったものや無いものばかりを数え上げてしまうものです。しかし、聖書はそんな私たちに向かって「あれも無い、これも無い」と悲観的に物事を捉えて、諦めたり落ち込んだりする必要など無いのだ。「今、与えられているもの」「今、あるもの」を数え上げてみなさい。その「今ある」恵みを神さまに感謝していくことによって、私たちの生き方は、恵みの上に恵みが積み重なっていく生き方になる、と聖書は私たちに告げています。
「これも無い、あれも無い」と思うのか、「これもある、あれもある」と思うのか。
子どもたちが毎朝「恵みの神さま、今日もありがとうございます」と祈っていくことで、子どもたち一人ひとりが生かされている喜びや見えない恵みに気づいていくのです。
園長 押川幸男
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