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2月「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。」

今月の聖句 2月

 「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。」

マタイによる福音書10章12節

 

 


 今から数十年前の大学生時代、ドイツのマインツ大学に短期交換留学生として滞在したときの事。ドイツ人学生と一緒にいた場面で、私がくしゃみをしたとき、すぐに隣の学生から「ゲズントハイト(Gesundheit)!」と声をかけられました。「あなたが健康でありますように!」という意味だったと思います。なぜかその言葉がとても心に沁みて、誰かがくしゃみをすると私は、待ってましたと「ゲズントハイト(Gesundheit)!」と多くの方々に声を掛けていた思い出があります。日本に帰ってきても、しばらくは周りでくしゃみする人がいたら、心の中で「ゲズントハイト(Gesundheit)!」と叫んでいました。相手を思いやる素敵な言葉だと今でも思っています。

今月の聖書の言葉にも素敵な挨拶の言葉が書かれています。イエスさまが「シャローム」という言葉を紹介しています。当時のイスラエルの挨拶の言葉で、朝、昼、夜、どんなときにも使える言葉です。この言葉も相手を思いやる言葉で、「神の平和があなたにありますように」あるいは「あなたの生が健やかでありますように」という意味を含んでいます。

この「シャローム」は、元々旧約聖書の言語ヘブライ語で「平和」「調和」を意味する言葉です。聖書における平和が単に戦争がない状態であること以上に、ものごとが本来あるべき状態に戻ることなのです。それは、子どもたち一人ひとりが人としての尊厳を認められて生きていくことができる状態に回復される、そのようなあるべき姿がシャロームなのです。

共愛学園こども園の子どもたちが、相手の幸せを願う「シャローム」という言葉を語ることによって、この世界が神さまの望まれる世界へと少しでも回復されることを願っています。

園長 押川幸男 

 


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