· 

7月「主に向かって心からほめ歌いなさい。」

今月の聖句 7月

主に向かって心からほめ歌いなさい。

エフェソの信徒への手紙5章19節 


今から約30年前に、ある先輩牧師から一冊の本をいただきました。その著者は、青山学院の野村祐之氏で、米国で臓器移植を経験された方でした。彼の著書によれば、ある朝起きたら呼吸ができなくて倒れて病院に入院したというのです。その後、死を覚悟していた彼に、「野村!お前は生きろ!身勝手なことをするな。トコトン生きろ。死を先取りしてカッコつけるんじゃない!」という友人の言葉に、「僕の命だけれど、僕の命ではない。神さまからの預かりものなんだ」と野村氏は気づいたそうです。野村氏は、その入院中に不思議な体験をしました。どうしようもない痛みで、横にも向くことのできない苦しみの中、背中とベッドの間にわずかの隙間があれば、痛みもやわらぐのに、と思っていたそうです。あきらめの自暴自棄な気持ちでいた夜中のことです。誰かが背中の下から手を入れて、少しだけ持ち上げて支えてくれていることに気づいたのです。暗い中で気がつくと、看護婦さんの気配はなく、彼の妻もベッドの脇で椅子にもたれて寝ていたというのです。大きな手が、祈りの手が、ほんの少し身体を浮かし、支えていたのです。彼自身も信じられないことでした。祈りとは、心の問題だと思っていた。ところが、祈りが物理的な力として自分の身体を支えていることを感じざるを得なかった。強い、強い祈りの力として今、多くの方々の祈りの力が支えていてくれると気づいたのです。彼が幼稚園時代、何も知らず、先生の言われたとおりに讃美歌を歌い神さまに祈っていた賛美や祈りを神さまが取り上げて下さって、今がその時、という時に用いてくださったのでした。

  私もこの本を読んだ時から野村氏に直接お会いしたいと願っていたのですが、今から10年前に私の牧会する教会員の知人として、お会いすることができました。

20年の時を経て、神さまが私の祈りを取り上げて下さったのです。

共愛学園こども園の子どもたちは、園生活を通して神さまに賛美することや祈ることを行っています。神さまが子どもたちの賛美や祈りを、時空を超えて子どもたちが最も必要な時に取り上げて下さって、今がその時、という時に用いてくださる、と私は信じています。            

園長 押川幸男

 

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。