今月の聖句 1月
「一緒に喜んでください。」
ルカによる福音書15章6節
日本では羊を飼う風景をほとんど目にすることはできませんが、イエスさまの過ごされたイスラエルでは、日常的な風景でした。羊飼いは羊に草を食べさせるため、毎日羊を連れて野原に出て行きました。たくさんの羊を一人の羊飼いがお世話するため、羊の群れから迷い出てしまう羊もいたことでしょう。
あるとき、本当に一匹の羊がいなくなってしまいました。羊の群れの外は、危険です。
獲物に飢えた狼が待ちかまえています。このイエスさまのたとえ話を聞いていた人は、自分を羊飼いに重ねて心配したことでしょう。一体どこでいなくなったのか。もう狼に襲われてしまったかもしれません。羊飼いは、99匹の羊を野原に残し、迷い出た一匹を捜しに行きます。そして羊飼いはその一匹の迷い出た羊を見つけて、肩に乗せ、残された99匹の元に帰り羊たちに、ついに羊が見つかった大きな喜びを携えて「一緒に喜んでください」と語りかけます。
あるいは、このイエスのたとえ話を聞いていた人の中には、自分を迷い出た一匹の羊に重ねて、不安のなかで泣いていたちょうどそのときに、自分を一生懸命に捜していた羊飼いの声を
身近に聞いて、羊飼いの元に喜び急いで駆け寄っていった羊の姿に自分を重ねていたかもしれません。そして、残された99匹の羊たちに、「一緒に喜んでください」と語りかけた羊飼いの声に、深い安心感を受け取ったのではないでしょうか。 羊飼いが迷い出た一匹の羊を捜すために、99匹の羊たちが野原に残されました。99匹の羊たちは、どのような思いだったのでしょうか。「心配だね。早く見つかって欲しいなあ」あるいは「迷い出たのは、自己責任、自業自得だよ。」との様々な思いがあったかもしれません。
私たちは無意識に、迷い出た一匹の羊のために野原に残された99匹の立場に立っていることはないでしょうか。でも、イエスさまの私たちを見守るまなざしは、いつも迷い出た一匹の羊を一生懸命捜すまなざしです。
共愛学園こども園においても、迷い出た一匹の羊を一生懸命捜し続ける愛情深さと暖かなまなざしで見守り、心身共に健やかに成長させてくださるイエスさまに信頼して、子どもたち一人ひとりが周りの方々と共に喜んで生きる祝福された人生を歩んで欲しいと切に願っています。
園長 押川幸男
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