今月の聖句 9月
「人はパンだけで生きるものではない」
ルカによる福音書4章4節
今月の箇所は、イエスさまが誘惑を受けられた場面です。イエスさまは、霊に引き回され40日間、悪魔から誘惑を受けられ、その期間が終わり空腹を覚えられました。そのとき悪魔は、言葉巧みにイエスさまを誘惑します。悪魔は、「神の子
なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」とイエスさまを誘います。
空腹は、私たちの心を弱くします。石をパンに変えることは、神の子イエス・キリストにとってはできないことではないでしょう。誘惑とは、できないことを無理してさせようと誘うのではなくて、できることをするように誘うものなのです。
できること、しかし、そのことによって、神さまとの関係が崩れてしまう。そのことを、悪魔は狙って誘惑するのです。イエスさまはこの世に人間の子として、神さまに造られた被造物として来られたのですから、イエスさまが石をパンにすることは、人間であることから離れてしまうことになるのです。
私たちのいのちは、創造主なる神さまが養ってくださるものです。私たちは、神さまにいのちを頂き、生かされていることを忘れ、自分は自分の力で生きていると思ってしまいます。神さまを忘れさせること、そして自分だけで生きていけると思わせること。これが悪魔の誘惑の目的でした。
この誘惑に対して、イエスさまは「人はパンだけで生きるものではない」と書いてある、とお答えになりました。これは、旧約聖書「申命記」8章3節の言葉です。「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生き
ることをあなたに知らせるためであった。」すなわち、私たちは神さまのみ言葉によって生きることを、神さまから期待されているのです。
やなせたかしさんのアンパンマンが自分の顔の一部を苦しむ人や悲しんでいる人に差し出したように、イエスさまは私たちが喜びと感謝を持って生きるようにと、あの十字架上で自らのいのちを私たちのために差し出してくださったのです。
共愛学園こども園の子どもたちが日々の礼拝や遊びの中で、聖書のみ言葉に養われ、生かされて、周りの方々に感謝の心を向けて豊かな人生を歩んで欲しいと切に願っています。 (園長 押川幸男)
『アンパンマン』(やなせたかし)からの画像を、教育の目的で使用しました。
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