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12月「さあ、ベツレヘムへ行こう」

今月の聖句 12月

「さあ、ベツレヘムへ行こう」

ルカによる福音書 2:15



当時の社会でもっとも人間扱いされない立場に置かれていた羊飼いたちだけに、彼らの救い主が生まれた知らせが天使たちによってもたらされました。「今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった。あなたがたは布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」

家畜小屋の餌箱に生まれたての赤ちゃんを寝かせるしかないほど貧しい姿の中に、救い主であることのしるしを見る、と天使たちは語りました。羊飼いたちは、自分たちと同じように貧しく、力ないその幼子を見に、普段は勝手に入ることも許されていないベツレヘムの町へと出かけていきました。

そして彼らは、その赤ちゃんの様子を見て、「神をあがめ、賛美しながら」もとの生活に戻っていったと聖書は伝えています。

何もできないほど力ない、貧しい夫婦とその赤ちゃんをみて、羊飼いたちはなぜ喜びに満たされたのでしょうか。当時、ユダヤの人々は、ローマ帝国の支配から解放してくれる強い王様が救い主として登場することを待ち望んでいました。でも、聖書はそんな強い王様とは似ても似つかない、貧しさと弱さの中に生きる幼子の姿が、神様がもたらす救いの出来事をしめしていると語るのです。

私たちが皆持っている痛みや悲しみ、苦悩を共に生き、そこに寄り添う人としてイエスが私たちのもとに来られたのです。クリスマスの知らせは、私たちの世界も、そうした互いを大切にし思いやる心を育てることによって、平和な世界を作り出す必要があることを教えています。子どもたちにそのような優しさが備えられ、成長していけることを願っています。

こども園宗教主任  荒谷 出


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