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12月「その名はインマヌエルと呼ばれる」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

今月の聖句 12月

「その名はインマヌエルと呼ばれる」

この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

マタイによる福音書 1章23節



インマヌエルとは聖書にとって一番大切な信仰を言い表しています。それほど大切な考え方なので、それを子どもの名前に付けることも多いです。エマニュエルという名前を女性の場合も男性の場合にも聞いたことがあるのではないでしょうか。God be with you. という挨拶の言葉もこの信仰に関係しています。

クリスマスの物語は新約聖書に2つ伝えられていて、一つはおとめマリアに天使が訪れ、マリアが聖霊によって身ごもり救い主を産むことを告げ知らせたお話です。ルカによる福音書ではこの受胎告知の出来事だけが伝えられていて、夫となるヨセフのことは名前が出てくるだけです。

一方、マタイによる福音書では、マリアではなくヨセフのところに天使が知らせを告げたという物語だけで、マリアは名前が出てくるだけです。そして今月の聖句の言葉はヨセフに告げられた言葉として伝えられています。「神はどのような時にも共におられる」という意味の名前で、イエスはそう呼ばれるであろうというヨセフへの知らせは、キリストはそのことを人々に示す存在となるだろうと知らせたわけです。

 

 

数千年に渡りいつも他国、特にその時代に強大な勢力をもった大国に支配され続けたイスラエルの人々にとって、繰り返す苦難、終わりの見えない不安の中で、それでも神は自分たちを見捨てず、彼らの苦しみを共に担ってくださる存在なのだという思いが、心の一番奥底にある願いとして伝えられてきました。希望とはそうした願いを信じることだったのです。民族の苦難だけではなく、それは一人一人の人生を覆う様々な痛み、苦悩にとっても同じ希望の源となっていました。

そして、クリスマスの知らせを子どもたちに伝えるということは、こども園に集う一人一人が神様にとって大切な存在であり、どんな時にも一緒にいてくださる方なのだということに他なりません。今年もクリスマスが近づき、こども園でも盛大にクリスマスの行事がおこなわれる予定です。その楽しいできごとを通して、こどもたち一人一人の心に、どんな時にも一緒にいて見守ってくださる神様のことも伝えられますようにお祈りしています。

こども園宗教主任    荒谷 出  


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