今月の聖句 1月
「イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。」
ルカによる福音書 2章52節
歴史上の人物ナザレ人イエスの幼少期のことは、実は何もわかっていません。聖書にもルカによる福音書の今月の聖句の箇所が触れているだけです。マタイによる福音書によれば、イエスは生まれながらにして難民となり、エジプトという文化も言葉も違う国で育ったことがつたえられています。子育て真っ最中のマリアとヨセフにとっても、生活上での苦難、ストレスは尋常では考えられないほど過酷なものであったことが予想されます。
日常の生活の中で様々なことに心悩ませながら子育てする私たちにとっても、そうした生活の中で、なお安定した愛情を子どもたちに降り注ぎ、健やかな心を育てることの難しさは、マリアとヨセフが直面したストレスを想像する手がかりなのかもしれません。
そのような中で、ルカによる福音書は、イエスは神と人とに愛されて成長したと伝えています。「愛されて」とは「大切にされて」ということと同じだと言えます。
聖書の中心的なメッセージは、人はすべて神から愛され、大切にされているというメッセージです。自分で自分を受け入れることができなくても、人から傷つけられ悲しい思いをしても、それでも神様はあなたを見守り大切に思われているという意識は、多くの人々が歴史を通じて心のささえとしてきました。それは希望をけっして失わないという強さとして人々を支え続けました。
問題は、そうした心のささえを人はどこで学ぶのかということだと思います。実際に大切にされている、愛されているという体験なしに、こどもたちは心の一番深いところで自分を大切に思う神の存在には気づけないと思います。そして、その心の土台を育てることが親行の一番大切かつ難しいところなのではないでしょうか。大切にするということは、こどもの成長に寄り添い、悲しい思いをするときにも、それに共感できるかどうかだと思います。こどもたちに大人の期待を押し付けたり、大人のものさしで押さえつけるのではなく、いつも寄り添い続ける関りが心の豊かさを育てることを痛感しています。
こどもたちの成長を願い、希望と喜び溢れる新年をお祈り申し上げます。
こども園宗教主任 荒谷 出

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